古物台帳の法改正について行ってる?【中古車販売店・買取店向け】古物台帳の書き方と「1万円未満」の落とし穴|令和7年10月改正対応

古物台帳の法改正について行ってる?【中古車販売店・買取店向け】古物台帳の書き方と「1万円未満」の落とし穴|令和7年10月改正対応

中古車やバイク、パーツの買取をしていると、必ずついて回るのが**古物台帳(帳簿)**です。うーん保管も大変 書くのも面倒 ルールも変わってる・・・
わかります。でも 書きましょう・・・。以下にルール改定をまとめてますのでご参考に!

「買取金額が1万円未満なら書かなくていいって聞いたけど、本当?」 「立入検査で見せろと言われたら、うちの記録で通るのか?」

こうした疑問は、実は判断を1つ間違えると行政処分につながるところです。この記事では、古物台帳の法的な位置づけ、記載事項、そして中古車・バイク業界で特に間違えやすいポイントを、条文ベースで整理します。


この記事でわかること

  • 古物台帳は何のために、いつまで残す必要があるのか
  • 記載しなければならない5つの項目
  • 「1万円未満は記録不要」の例外品目(令和7年10月に追加あり)
  • 売却(引渡し)時に記録が必要なケース
  • インボイス制度の「古物商特例」と古物台帳の関係
  • 紙とエクセル、どちらで管理すべきか・・・

1. 古物台帳は「売上メモ」ではなく法定帳簿

古物商には、古物を受け取ったとき・引き渡したときに、法定の事項を帳簿等へ記録する義務があります(古物営業法第16条)。そして、その帳簿は最終の記載をした日から3年間の保存義務があります(同法第18条)。

目的は売上管理ではありません。警察が盗品の流通ルートを追跡するための捜査資料です。だからこそ記載事項が細かく決められており、記載義務違反は罰則の対象となるほか、指示・営業停止・許可取消しといった行政処分につながり得ます。

具体的な罰条・処分の運用は、管轄の警察署(生活安全課)にご確認ください。


2. 古物台帳に書く5つの項目

古物営業法施行規則第17条で定められている記載事項は、大きく次のとおりです。

項目 中古車・バイクでの書き方の例
取引の年月日 実際に車両・部品を受け取った日(契約日と混同しない)
古物の品目 自動車、自動二輪車、自動車部品 など
古物の数量 1台、4本(ホイール)など
古物の特徴 車名・型式・車台番号・登録番号・色・走行距離など、個体を特定できる情報
相手方の住所・氏名・職業・年齢 免許証等の記載どおりに。屋号だけの記載はNG
相手方の確認方法 「運転免許証提示(番号◯◯)」など、とった措置を具体的に

あわせて、受け入れ(買取)なのか払い出し(売却)なのかが分かるように記録します。

ここでよくあるのが「特徴」欄が『白のワゴン』で終わっているケース。盗難車の照合ができない記載は、記載していないのと同じと見られる可能性があります。車台番号まで書くのが基本です。


3. 最大の落とし穴:「1万円未満は書かなくていい」の例外

買い受ける物品の総額が1万円未満の場合、相手方の確認義務および帳簿等への記載義務は原則として免除されます(古物営業法施行規則第16条)。

ただし、一部の品目は金額に関係なく記録が必要です。ここを知らずに運用している事業者が非常に多いところです。

1万円未満でも本人確認・記帳が必要な品目

区分 対象
従来から対象 自動二輪車・原動機付自転車(これらの部分品を含む。ねじ・ボルト・ナット・コード等の汎用部品は除く)
従来から対象 書籍
従来から対象 CD・DVD等(光学的方法により音又は影像を記録した物)
従来から対象 ゲームソフト
令和7年10月1日追加 エアコンの室外ユニット(室外機)
令和7年10月1日追加 電気温水機器のヒートポンプ
令和7年10月1日追加 電線
令和7年10月1日追加 グレーチング(金属製のものに限る)

令和7年(2025年)10月1日施行の施行規則改正で、近年多発する金属盗難対策として4品目が追加されました。 犯罪怖!

警視庁の解説によれば、電線については素材を問わない一方、LANケーブル・テレビ接続ケーブル・家庭用の延長コードや充電ケーブルは対象外とされています。グレーチングも金属製に限られ、コンクリート製は対象外です。

バイクショップ・整備工場は特に要注意

「自動二輪車・原付の部分品」が1万円未満でも対象という点は、実務で最も引っかかりやすい箇所です。

  • 中古マフラーを5,000円で買い取った → 記録が必要
  • 中古ホイールを3,000円で引き取った → 記録が必要
  • ねじ・ボルト類のみ → 汎用部品として対象外

「安いから伝票だけ」で済ませていると、立入検査で指摘を受ける可能性があります。


4. 売却(引渡し)時にも記録が要るケース

買い取ったときだけでなく、売ったときにも記録が必要な品目があります。一般に、売却時の記録義務の対象とされているのは次のものです。

  • 美術品類
  • 時計・宝飾品類
  • 自動車(その部分品を含む)
  • 自動二輪車・原動機付自転車(その部分品を含む)

つまり、中古車販売店は「仕入れたとき」と「売ったとき」の両方を記録することになります。

なお、自動車を売却する際は相手方の住所・氏名・職業・年齢の記録までは求められない、という解説が実務上広く見られます。ただしこれは品目や運用により扱いが分かれ得るところなので、自社の取扱品目に即して所轄警察署に確認することを強くおすすめします。


5. インボイス制度と古物台帳(古物商特例)

もう一つ、古物台帳が効いてくるのが消費税です。

インボイス制度では、原則として適格請求書がなければ仕入税額控除ができません。しかし中古車・中古品の仕入先は一般消費者や免税事業者が大半で、インボイスを発行してもらえません。

そこで設けられているのが古物商特例です。古物商が、適格請求書発行事業者以外の者から、棚卸資産として古物を買い受けた場合、一定事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けられます。

実務上のポイント

  • 帳簿には**相手方の氏名(名称)と住所(所在地)**の記載が必要
  • 古物営業法上の古物台帳を、この帳簿として活用する運用が広く採られている
  • 相手が適格請求書発行事業者の場合は特例の対象外 → インボイスを受け取る必要あり
  • 自社で使う目的で買ったもの(棚卸資産でないもの)は対象外

つまり、住所欄がきちんと確保された古物台帳を使うことが、警察対応と税務対応の両方をカバーする近道になります。

消費税の取扱いは個別事情で変わります。適用可否は顧問税理士にご確認ください。


6. 紙か、エクセルか

記録の方法は、おおむね次の3つが認められています。

  1. 帳簿への記載(施行規則に定める様式)
  2. 帳簿に準ずる書類(買取伝票・売上伝票など、所定事項が記載できるもの)
  3. 電磁的方法による記録(POSシステム、エクセル等)

エクセル等で管理する場合、営業所で直ちに書面に印刷できる環境が必要とされ、データが消失した場合には所轄警察署長への届出が必要とされる、という解説が一般的です(具体的な運用は所轄にご確認ください)。

紙の台帳の強みは次の点です。

  • 立入検査でその場ですぐ提示できる
  • 電源・端末・プリンタの状態に左右されない
  • 記載漏れが見た目で分かる
  • 複数スタッフで記帳ルールを統一しやすい

一方、取引件数が月数百件を超えるような規模ではシステム管理が向いています。規模と体制で選ぶのが現実的です。


7. よくある質問

Q. 様式は決まっていますか? 施行規則に様式が定められていますが、所定の記載事項を満たしていれば、帳簿に準ずる書類や自社様式でも運用可能とされています。

Q. 保存期間は? 最終の記載をした日から3年間です。廃業後の扱いは所轄にご確認ください。

Q. 営業所が複数ある場合は? 営業所ごとに備え付けるのが原則です。

Q. 書き損じたら? 消しゴムや修正液で消さず、二重線+訂正印で、元の記載が読める状態で残すのが実務上の一般的な取扱いです。改ざんを疑われない運用が大切です。

Q. 自社が売った車を、その買主から買い戻す場合は? 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合は、記録義務が免除されるケースとして整理されています。該当性の判断は所轄にご確認ください。


まとめ

  • 古物台帳は古物営業法第16条・第18条に基づく法定帳簿。3年保存。
  • 「1万円未満は不要」には例外がある。特にバイク・原付とその部分品は金額を問わず記録が必要。
  • 令和7年10月1日から、エアコン室外機・ヒートポンプ・電線・金属製グレーチングが追加。
  • 中古車・バイクは買ったときも売ったときも記録対象。
  • インボイスの古物商特例を使うなら、相手方の住所記載が要になる。

「なんとなく書いている」状態が一番危険です。記載項目が最初から並んでいる台帳を使うだけで、記帳漏れはかなり防げます。


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弊社では、上記の記載項目を順番に書き込めるA4ノート型の古物台帳を製作・販売しています。中古車販売店・買取店・リサイクルショップ・質店・ネット販売事業者まで、業種を問わずお使いいただけます。書き方の説明用紙付きです。

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【免責事項】 本記事は古物営業法および関連制度の一般的な解説であり、個別の取引に対する法的助言ではありません。取引内容や古物の区分によって必要な記載事項・本人確認方法は異なります。実際の運用は、管轄の警察署(生活安全課)または行政書士・税理士等の専門家にご確認ください。記事内容は2026年9月時点の情報に基づいています。

【参考】

  • 警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行)」
  • 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」
  • 古物営業法/古物営業法施行規則
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